奥付とは?
ルールや書き方について解説

奥付イメージ画像

本の最後に著者名や発行者、発行年月日などが記載されているページのことを「奥付(おくづけ)」と言います。

奥付にはどのような意味があり、どのような情報を記載しなければいけないのか、わかりやすく解説します。

奥付とは?

奥付(おくづけ)とは本のタイトル、著者名、発行者、発行所、発行年月日などが記載されている部分のことです。

奥付は本の最後のページにあることがほとんどで、出版物に対する責任を明確に示すための重要な部分です。

例えば、本の内容に相違や不備があった場合や乱丁、落丁といった製本上の欠陥の際に、出版社や印刷所、編集者へ問い合わせできるようになっています。

また、装丁や本文デザイン、DTP、企画協力など、その本の制作に関わった企業や担当者名が記載されることもあります。

ごく簡単に言えば、奥付は「本の責任者」や「問い合わせ先」をまとめたページとなります。

奥付に記載する情報(書き方)

奥付にはルールや決まった書き方はありません。

縦書きでも横書きでも構いません。

ただし、多くの書物で共通して記載されている必要最低限の情報がありますので、以下に紹介します。

本の正式なタイトル

その本の正式なタイトルを記載します。

サブタイトルや英語表記、ボリューム、ナンバーがある場合はこれらの情報も含めて記載します。

発行日(版と刷の日付)

その本が印刷製本された年月日を記載します。

本の内容に修正や加筆が加わった場合は、初版発行日に加えて第二版発行日も記載します。また、印刷回数は「第1刷」のように示し、増版があった際には「第2刷」となります。

発行日は、印刷製本から市場に流通するまでの期間を考慮するため、実際に印刷した日から2週間後くらいにするのが一般的です。

著者名

その本を書いた著者名を記載します。

必ずしも個人名である必要はなく、団体名やペンネームでも構いません。

発行者

その本の発行責任者名を記載します。

多くの場合、出版社の代表取締役や編集部の担当者名になります。

発行所

その本を発行した企業や組織名を記載します。

編集部や営業部の連絡先

その本を編集した会社の問い合わせ先を記載します。

主に住所や電話番号ですが、近年ではウェブサイトのURL、メールアドレス、ウェブサイトへ誘導するためのQRコードなども増えています。

印刷所や製本会社

その本を印刷および製本した会社名を記載します。

奥付に記載すべきでない情報

奥付には記載すべきでない情報もあるので合わせて覚えておきましょう。

定価

その本の定価は記載しない方がよいでしょう。

主な理由としては、将来的な価格改定や税金の変化に対応できるようにするためです。多くの書籍がカバーにだけ定価を記載しているのはこのためです。

個人情報

個人情報は記載すべきではありません。

例えば、著者の住所や電話番号、メールアドレス、SNSアカウントなどが該当します。とくに自費出版の場合、不用意に掲載しないようにしましょう。

検印

近年、奥付では著作権者の検印は省略されています。

これまでは、その本の著作権者を示すために使われていましたが、手間がかかることから記載しないことが一般的になりました。

検印の代わりに「著作権者名(コピーライト)」を記載する場合もあります。

電子書籍における奥付

昨今、電子書籍の流通量が増加しており、電子書籍の奥付についても基準作りが進められています。

電子書籍の奥付モデルを検討している日本電子書籍出版社協会によると、電子書籍における奥付は以下の5項目を必須項目としています。

本のタイトル(書名)

著作者名

発行元(出版社名)

著作権者名(Copyright)

電子書籍発行日(制作日)

また、以下の3項目は推奨項目として記載が勧められています。

電子出版コード(20桁)

底本情報(発行年月日や版数など)

複製および改ざん禁止条項

紙の本も電子書籍も奥付では「その本の責任所在を示す」ことが重要です。

ご紹介した奥付の意味や目的を理解したうえで奥付を作りましょう。

参照元:日本電子書籍出版社協会

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