プリントオンデマンド(POD)とは?
電子書籍や紙書籍との違いは?

プリントオンデマンド(POD)のイメージ画像

紙の書籍や電子書籍は分かるけれど、最近よく聞くようになった「プリントオンデマンド」のことはよく知らないという人は多いかもしれません。

プリントオンデマンドは電子書籍に続く新しい本の出版形式で、近年注目を集めています。

ここではプリントオンデマンドについての特徴や、電子書籍などとの違いについて分かりやすく解説します。

プリントオンデマンドとは?

プリントオンデマンド(Print-on-demand)とは、必要に応じて必要分のみ迅速に印刷する印刷方法です。

英語の「On demand(要求があり次第)」が語源で、オンデマンド印刷と呼ばれることもあり、紙の書籍に限らずTシャツや漫画、カタログ、パンフレットなどの印刷にも使われます。

大量に印刷する書籍の場合、オフセット印刷では「版」を作って試し刷りを経てから印刷しますが、プリントオンデマンドなら版制作が不要でデジタルプリンターを使って迅速な印刷が可能です。

プリントオンデマンドは「必要な時に、必要な分だけを印刷する」ことができるため、コストを抑えた印刷が実現します。

これにより書籍を自己出版する人たちは在庫過多になる心配がなく、必要最低限の投資額で出版が実現する訳です。

プリントオンデマンドは、個人の出版や販売のハードルを大きく下げた印刷方法として、その市場規模を広げています。

電子書籍や紙書籍との違い

プリントオンデマンドは電子書籍や紙書籍とどのような違いがあるのか解説します。

データ販売ではない

プリントオンデマンドは電子書籍のようなデータ販売ではありません。

注文毎に1冊ずつ印刷・製本し、あくまでも製本された「紙書籍」として流通することになります。

電子書籍のようにDTPデータを使って入稿・編集しますが、最終的な形態はデータではなく紙書籍であることが大きな違いです。

コストが必要最低限で済む

プリントオンデマンドの場合、必要分だけを印刷するため必要最低限のコストで済みます。

例えば、プリントオンデマンドは紙の書籍と比較して紙代、印刷代、出入庫手数料といったコストが大幅に抑制できます。

同じ紙書籍でありながら、出版にかかるコストが大きく違います。

プリントオンデマンドのメリット

次に、プリントオンデマンドのメリットを見てみましょう。

制作コストが安い

プリントオンデマンド最大のメリットと言えるのが「制作コストの安さ」です。

プリントオンデマンドは1冊から印刷・製本できるため、最低500部単位といった基準がある出版社による印刷・製本よりも圧倒的に制作コストが安く済みます。

在庫が必要ない

プリントオンデマンドは「必要な分だけ」を印刷・製本できるため、余剰在庫を抱える心配がありません。

受注を受けた部数だけを印刷すれば良いので、従来の出版スタイルのようにあらかじめ数百から数千部を印刷しておく必要がないのです。

絶盤・廃版にならない

プリントオンデマンドの場合、出版社や発行元の都合による絶版や廃版といったことがありません。

データさえ残していればいつでも出版可能です。

また、データを残していれば内容の変更や改訂といった更新作業も容易なため、改訂版の出版も手軽にできます。

プリントオンデマンドのデメリット

プリントオンデマンドのデメリットも見てみましょう。

ソフトカバーのみ

プリントオンデマンドによる出版の場合、表紙はソフトカバー(ペーパーブック)が原則です。

出版社が発行する書籍ではハードカバーが主流のため、ソフトカバーでは見劣りしてしまいます。

また、表紙帯も付かないため、どうしても「安っぽさ」や「手作り感」が出てしまうのがデメリットでしょう。

ちなみに、Amazonやhontoのようにプリントオンデマンドで出版された書籍を扱っているウェブサイトでは「オンデマンドブック=ペーパーブック」と表記され、一般的な書籍と区別されています。

カラー印刷は割高

プリントオンデマンドの場合、カラー印刷にするとモノクロ印刷の3倍程度高くなると言われています。

コストを抑えられることが魅力のプリントオンデマンドですが、カラー印刷の場合、かえって高くつく点がデメリットです。

書店に並ばない

プリントオンデマンドで出版された書籍は、インターネット上での販売になるため、基本的には店頭に並ぶことはありません。

プリントオンデマンドと出版社との比較一覧表

プリントオンデマンドと出版社の主な違いが一目で分かる一覧表です。

条件 プリントオンデマンド 出版社
最低発行部数

1冊から

500冊から

表紙カバー形態

ソフトカバー

ハードカバー

表紙の帯

なし

あり

印刷色の対応

モノクロ/カラー対応

モノクロ/カラー対応

改訂・再出版

容易

困難

在庫リスク

なし

あり

絶版・廃版リスク

なし

あり

印刷の品質

低い

高い

初期費用

安い

高い

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